Lecture to Myself

よく言われることだが、「三角関数微分積分なんて人生で使わない」なんて意見がある。
たしかに、普通に生活していれば三角関数微分積分も自分には関係ないことのように思える。

しかし、例えば斜面上の運動を把握しようと思えば三角関数は不可欠なものだし、加速度を計算するには微分を用いる。つまり、三角関数微積がなければジェットコースターや自動車は存在しないのである。
私たちが意識していないだけで、これらの概念は現代生活の根幹なのだ。

とまあ、こういうことを言うと「いや、それはそうかもしれんけど俺らが直接三角関数を使ってるわけじゃないやん?」なんて反論してくる輩がいる。

もちろん、私だって普段の生活の中で直接的に三角関数微積を使っているわけではないので、この言い分もわからないでもない。
だがしかし、重要なのはそこじゃない。
直接使っていなくても、身の回りで使われていることに気づくことが重要なのではないかと私は考える。

そして、この「気づき」によってある一点が予想外の点と結びつく瞬間が学びの面白さだと思っている。

たとえば、我々は化学の授業で、氷に圧力をかけると水になるということを学んだ。そして物理の授業では圧力は面積に反比例すると教えられた。
この2つがスケートというスポーツを介して自分の中で繋がったとき、私はある種の感動を覚えた。

このように、学びのひとつひとつは独立した点ではあるが、これらを自分の中で結びつけ、最終的には一つの大きな面を構築することが真の学習なのではないだろうか。
これは理系科目に限った話ではなく、社会学言語学もさまざまな形でいろいろな物事と結びついている。大事なのは気づくことであり、気づくことにより人生がより豊かになる。

スティーブ・ジョブズもかの有名なスピーチの中で述べていたが、過去の経験はきっと思いがけない形で将来に結びつく。
学びに無駄なことなどないのだ。



結論。卒業単位のためにとっているよくわからない授業だっていつか何かと結びつくはずである。明日の一限はちゃんと出席しなさい。